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※この文章はその1からの続きになっています。
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哀愁に浸るのも束の間、俺は遠くの景色に釘付けになった。そこには、明らかに誰かの建てた建造物の先端が見える。逸る気持ちからスピードが上げた。
やはりそうだ、しかもありゃ大都市だ!
徐々に全貌がみえて来るにつれ、予想は確信に変わった。その頭上には飛行機らしものも飛んでいる。
俺は安堵した、ただ、まだ現状が多少好転したに過ぎない。思い直し今後の事に思案を巡らす。宇宙クレジットは使えるのか、最悪積み荷を売ってでも宇宙へ出られれば何とかなるか。
そうこうしているうちに、都市の辺境まで到達した。何人か生活を営んでるのが見える。宇宙ではスタンダードなヒューマノイド系だ。
物珍しさからだろうか、時たま俺の思考にアクセスしてくる奴もいる。どうやら、この種族は意思疎通の大部分をテレパシーで行なっているようだ。
これなら、交渉事もなんとかなるか、正直テレパスでの会話はスピードが速すぎて苦手ではあるんだが…。
近くの奴を呼び止めて、この都市で一番栄えてる所を教えてもらいたい旨を伝える。奴は怪訝な顔をしながら指で俺の頭を2回指差す。どうやら、俺のテレパシーは「荒い」らしい。すぐにアクセスを切り、受信側に回る。
飛び込んできたイメージを、すぐ紙に移した。…うん、これでよし。ついでに、宇宙船のディーラーがあるかを教えてもらうと、少ないが、あるという返事が来た。
思ったより普及してないか、だとしたら、この国の金額でかなり高価なんだろうな。さて、どうしたものか。
まあ、行ってみないことには分からないか…。
俺は車中泊することにした。もう夕方だ。日は長いようだが暗い中、あまり動きたくない。見通しの良い郊外で食事をとった。
長い旅で、もう手持ちの食料は少ない。こちらの食事は口にあえば良いんだが。
翌日、朝早く出発した。段々と賑やかになっていく街並みを横目に見る。観光だったらどんなに楽しいかと思うが、この後のことを考えると、どうしても良い気分にはなれなかった。
街には昼過ぎに到着した。何人かに宇宙船のディーラーの場所を教えてもらう。
最初は俺の事を訝しげに見ていた従業員も、宇宙船を買いたい意思を伝えると急にかしこまり、すぐさま最上級の応接室に案内してくれた。
商談は思いのほか上手く進んだ。身元の照会がクライアント経由で出来たお陰で、信用取引で宇宙船を買える事になったのだ。
だか、俺の要求を満たす宇宙船となると、どうしても最終的にハンドメイドにならざるを得ず、早くて1ヶ月半くらい時間が掛かる様子だった。
宿がない旨も伝えると、サービスでホテルも手配してくれた。郊外だがリゾート施設もある豪華な場所のようだ。
まあ、束の間の休息を楽しむか…。宇宙に戻ったら忙しくなるしな。
今夜は商談成立の祝い? か、豪華な食事を振舞ってくれるらしい。テレパシーで受信したイメージとそれに伴う彼らの感情に、俺も舌なめずりする。
そういえば、こちらに来てから初めての現地の食事か。俺の口にあえば良いんだが。
……
続きます!! 続きはこちらのページから
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